2017年10月9日(月)
こんにちは、蓬庵の和田です。
今日は患者様との会話からひとつ紹介したいと思います。
若い女性の患者様が急に口内炎が3つもできたといいます。東洋医学での問診では「ふむふむ、口内炎ね!」とわかったつもりでカルテに「口内炎」と記載して戻り師匠に報告すると追いかえされます。
口内炎というだけでは治療の役には立ちません。治療にいかしていくにはこれぐらいの情報は必要です。
口内炎はどこにできたのか?
どのような口内炎が?
痛みはあるのか?
口内炎の経過は?
口内炎は何が原因か?
また、他の症状とも複合的に考察していきます。
頰や唇の裏なのか、舌の横や先なのか、はたまた舌の根元や裏なのか、それにより病の場所や病の深さを知ることができます。
口腔内の症状は脾(胃)といった消化器系が関わっていることが多いですし、舌の場合は大きく心(小腸)でみることもありますが、場所により関連する臓腑が違います。
舌根部は腎、舌中部は脾・胃、舌尖部は心・肺、舌辺部は肝・胆という配当がされています。また場所が裏に入っていくほど病は深いところまではいっているとみれます。
今日の患者様はより詳しく心当たりを聞いていくと、口内炎ができる前日に久々に友人と集まって普段以上にお酒をたくさん飲んでしまった。そして終電のギリギリになってしまい自分でもビックリするぐらい全力疾走して駅まで走って、すごく酔いがまわったといいます(^^;)
なるほど、原因はそれですね!
お酒を飲んだことによる熱あまり、そしてあわてて走ったことも助長したかもしれませんね。治療としては熱がこもっているところをツボからも判断して、熱をもらすような治療になります。
今回は口内炎を目的として治療はしませんでしたが、治療後にましになっていたので、お酒を控えておけばこのままスムーズになおっていくかと思います。
西洋医学的にはビタミンB群の不足、疲労、不眠、免疫の低下、ウイルスや細菌の感染、ストレス、アルコール、唾液の不足などが原因と考えられています。
そういえば一時期、マヌカハニーが口内炎によいと話題になりましたね。マヌカハニーの純度が高いものは殺菌効果が高くてよいと有名になりました。
基本的に口内炎を早く治すコツは飲食や睡眠を気をつけることもありますが、口腔内の環境を整えることも有効です。
実は口内炎にうがい薬は有効です。イソジンは有名ですが殺菌消毒作用がありますし、病院でもらうことがあるアズノールうがい薬は抗炎症作用がありますから痛みが強いときに有効です。
そして今は塗り薬などの市販薬もたくさんあります。東洋医学をすすめるものとしては、まずは食事をみなおして頂きたいと思います。テレビCMでは「この薬を塗って美味しく食べよう!」みたいなものもありますが、東洋医学的には論外です(笑)
それでも治らない時は病院に相談しましょう!