夜泣き、イヤイヤ、キーキーの原因になる、カンムシ、疳の虫について説明しています。また「虫きり」と「虫封じ」とは?
「虫きり」・「虫封じ」
「虫きり」・「虫封じ」とは?
小児の夜泣き、キーキー声、暴れる、たたく、かむ、すぐに怒る、癇癪(かんしゃく)のなどを小児の神経症状を、「虫(ムシ)がでている。」とご年配の方は言ったりします。
そんなときは「虫きりにいっておいで。」、「ハリにいっておいで。」と言われることもよくあります。
先日も保育園の先生に「お子さんに虫がでてるから、虫きりに行ってきたら良いよと言われた。」と若いお母さんが蓬庵こられました。
治療とおまじない
「虫きり」と言われるものには大きく2つあります。医療系の国家資格である鍼師がおこなう施術として行われる小児はり(←クリックで紹介ページへ)と、神社やお寺で行われているおまじない・御祈祷としての虫きり・虫封じがあります。
小児はりはきちんと体の状態や体質を把握しておこなうものですが、神社やお寺の虫きりはあくまでもおまじない・御祈祷です。それでも効果があるのか今も多くの方が行かれると聞きます。
虫きり・虫封じのお寺・神社
和歌山県では日蓮宗寳珠山遍照寺(和歌山市屋形町)、日蓮宗安楽寺(和歌山市中之島)が虫切り、虫封じをしているようです。
※患者様より現在はもう和歌山県のお寺ではやっていないと情報を頂きました。
また、関西ではお寺だけでなく幼児の虫封じに霊験がある神社として、三宅八幡神社(京都市左京区上高野三宅町)、泉穴師神社(大阪府泉大津市豊中町)、泉井上神社(大阪府和泉市府中町)でも虫封じのご祈祷をやっているそうです。
※ご祈祷の日が決まっている場合もありますので、詳しくは各神社へお問い合わせください。
カンムシ・疳の虫(かんのむし)
お父さんお母さんを困らす「カンムシ」ってどんな虫?
カンムシとは、ひどい夜泣き、ひきつけ、噛みついたりものを投げる、すぐに癇癪をおこすなど、自律神経の乱れが原因でおこる小児の神経症状の俗称です。この他にもカンムシの特徴として、眉間やこめかみのところに青筋がでる、髪の毛が逆立つ、顔が青白い、目つきがするどくなることがあります。
実際に身体の中に虫がはいって悪さをしているわけではありませんが、昔は寄生虫の感染も少なくはありませんでした。
そのため戦国時代の針立(鍼師)が書いた「針聞書」には、病気は身体の中に様々な虫が入ることによって発病すると書かれています。今でもその名残なのか、わたしたち大人も機嫌が悪いと「腹の虫の居所が悪い」、「腹の虫がおさまらない」などといった、いかにもお腹に虫がいるような表現を使います。
『戦国時代のハラノムシ』長野仁(編)は蓬庵にも蔵書していますので、見てみたい方は声をかけてください。
カンムシの原因
子どもの脳と身体は、とても早いスピードで成長していきます。心と体の成長のバランスの崩れや、疲労からくる不快感を身体で表現しているのがカンムシです。自分でうまく言葉で表現できるまでは身体で表現するしかありません。
そのため乳児は、不快感やしんどさを夜泣きやカンムシとして表現します。幼児になると多くの言葉が話せるようになますが、自分の思い通りにならないことも増えてくるため、そのいらだちが様々なカンムシ症状としてあらわれてくることがあります。脳の発達とともにカンムシ症状はおこってきますので、成長の証でもあります。
疳(カン)
疳の虫の「疳」という漢字は、「やまいだれ」に「甘い」と書きます。漢字が示すように、甘いもののをとりすぎもカンムシがひどくなる原因となります。また、食事の過多、肉類、味の濃いもの、生もの、冷たいものもカンムシの原因となることがあります。
喜んでたくさん食べてくれるのは両親としてとても嬉しいことですが、それがかえってカンムシの原因となっている場合も少なくありません。まずは、お菓子の量を減らすところからはじめてみてください。
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