妊娠悪阻(つわり)(3)

2017年9月27日(水)

こんにちは、蓬庵の和田です。

今日は妊娠悪阻(つわり)の患者様がこられました。妊娠悪阻(つわり)も鍼灸で改善が期待できる症状の一つです。

中医学では「この症状だからこのツボ!」ということはなく、その症状の原因や体質によって変わってきます。妊娠悪阻は消化吸収に関わる脾(胃)の臓が弱っているときや、もともと体質的に弱い方に多い傾向にあります。

日頃から軟便や下痢、日中も眠い、体がだるい、浮腫、無気力といった症状がでやすく、梅雨や雨の降る前の湿気の多いときに顕著になります。また、胃腸症状がでていて食べれない方もあれば、甘いものなど食べるのが大好きなタイプの方もおられます。

またイライラや怒りの感情に関わる肝の臓も妊娠悪阻(つわり)を助長する場合もあります。肝の臓は胃とも密接に関わります。イライラすると気の流れも悪くなりますし、怒りのエネルギーは上方へむかう傾向がありますので、吐き気や嘔吐の原因となります。

今日の患者様は問診をしていくと、妊娠以前より脾の臓が体質的に弱い脾虚(ひきょ)の傾向がみられました。それに今はもうすぐ2歳になる第1子もおり、子育てでの不安やイライラも多くなってきているとのことでした。

他の症状には、口が苦い、コメカミのあたりが痛くなるということで胆経の頭痛もでており、緊張やイライラしているときに症状がつよくなることから、脾の臓とともに肝の臓の影響もでているようでした。

教科書的にはツボも書かれていますが、私は師匠から肝の臓の治療は妊娠中は注意するようにならってきました。肝の臓は「子宮」とも深く関わります。治療の仕方をあやまれば早産や妊娠初期なら流産の可能性もあります。

シャ法と呼ばれる攻撃的な治療はやりにくくなります。「気」の流れをよくする治療もそうですし、肺の臓にも「気」をおろす作用があるので注意が必要です。

そのようにならってきましたので、なるべくその方そのものの力を持ち上げることにより症状を改善する方法をとるようにしています。そのため合谷穴(ごうこく)や太衝穴(たいしょう)といったストレスで日頃によく使うツボは使いにくくなります。

ですから妊娠中は専門家に相談せずむやみにツボ押しをしたりするのもやめた方がよいです。雑誌には間違った情報もたくさんのっています。

今回の患者様はしばらく来られなくなるということでしたので、お灸のやり方なども指導しました。

多いといわれている妊娠悪阻(つわり)のタイプ

1、脾胃虚弱による妊娠悪阻(つわり)
主症状:吐き気、食べ物のにおいで気持ち悪くなる、あるいは食べると吐く。
随伴症状:腹部膨満感、倦怠感、眠気が強い、息切れしやすい、便が緩め、手足がだるい。

2、肝鬱気滞による妊娠悪阻(つわり)
主症状:吐き気、苦いあるいは酸っぱい黄水が上がる、食べ物のにおいで気持ち悪くなる、特にあぶらっこいものを嫌う。
随伴症状:口が苦い、わき腹がはって痛む、ゲップが出る、よく溜め息をつく、精神的な抑うつ感がある、頭がはったように痛む、冷たいものを摂りたくなる、手足が冷える、顔がほてる、吹き出物が出やすい。

3、痰湿による妊娠悪阻(つわり)
主症状:吐き気、食欲不振、嘔吐物の水気が多い。
随伴症状:口が甘く粘つく、味がよくわからない、胸の辺りがムカムカする、手足がむくむ・だるい・冷える、冷えると下痢をする。

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