東洋医学と腰痛、朝日新聞「腰痛は推定2800万人」

さむね サムネ コラム 鍼

朝日新聞で腰痛について一面で取り上げられました。

2013年3月25日(2019年3月18日に再編集)

こんにちは、東洋医学ライフを提案する橋本市の隠れ家鍼灸院こと蓬庵の和田です。

今回は腰痛について詳しく解説していきます。

目次

腰痛 推定2800万人

朝日新聞の記事

2013年3月25日の朝日新聞の一面はこんな記事でした。「腰痛、推定2800万人 40~60代の4割、悩む」、腰痛の話題が1面にくるとはちょっと意外ですがそれだけ困っている方も多いのでしょう。

男女比は4対6で40~60代の約4割の方が腰痛があるとのこと、要約しますと以下のようになります。

原因不明の腰痛は全体の8割以上を占めており、安静より運動が効果的

ストレスなど心理的要因も引き金になるため、抗不安薬や抗うつ剤も有効

・3ヶ月以上続く慢性の腰痛には運動が効果的

・1ヶ月以上痛む場合のマッサージ根拠がない

ストレスなどの心理的な要因が原因として取り上げられていることが興味深いです。東洋医学では古来よりそのことが指摘されています。

腰痛の原因

腰痛にはたくさんの原因があります。姿勢、運動、労働、老化、精神的ストレス、月経、病気(腰椎椎間板ヘルニア、脊椎分離症、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症、骨折、捻挫、悪性腫瘍など)があげられます。

しかし実際に病院に行って原因がハッキリする方は少ないようです。レントゲンやMRIなどの検査をしたが異常ない、もしくは検査も何もなく問診だけでヘルニアと診断された。そんな方が多く鍼灸院に来られます。

「病院でヘルニアと言われました。」というので、実際にヘルニアを疑う徒手検査をしてみても異常なしということもよくあります。

「気」の停滞による腰痛

新聞にも書いているように、慢性の腰痛の場合は少し運動をしたほうが良いものも多くあります。東洋医学では「気滞(きたい)」といって気が停滞している方に多くみられます。

ずっと同じ姿勢をしていると痛くなってくる。精神的に嫌なことがあると痛くなるが、趣味をしているときや、仕事がない休日は痛みが気にならない。仕事や家事、スポーツなどで体を動かしているときは気にならない。寝起きが辛いが動きだせば気にならない。

そういう方は一時的に「気」が渋滞をおこして痛みがでているので、体を動かして「気」がめぐれば痛みは改善されます。痛いときは顕著に気になるのですが、痛くないときは意外と忘れていることが多いので、体を動かしているときの方が調子が良い方は、運動をすることで腰痛の改善になります。このタイプの方はマッサージや入浴でも調子が良くなることが多いです。

「気」や「血」の不足による腰痛

また逆に、体を動かしたり、疲れたり夕方になると痛む方もいます。これは「気」や「血」といったエネルギーが不足して痛みがでています。そんなに痛みは強くないのだけど痛みが長期的に続き、疲れることでより痛みが強くなります。マッサージもやってもらっているときは気持ちよいのだけど、そのときだけであまり効果がないことが多いです。

このタイプの方は腰も力がないぺちゃんこになっていることが多く、しっかり休息をとりエネルギー充電するような治療が必要なので、過度な運動はあまりよくありません。

これは東洋医学独自の「虚(きょ:体の弱り)」という考えなので、整骨院ではこのタイプの方にも刺激の強い治療をして余計に悪化させてしまう場合もあります。

ですので、慢性腰痛でも必ず運動がよいわけではありませんが、比較的に運動があうタイプの方の方が多いように思います。

自分の体と相談をしながらストレッチや運動をして腰痛の調子が良いようであれば、無理のない範囲で運動をしてもよいかもしれません。

ただ、長期的に痛みがある場合や、しばらく治療をしても症状に変化がない場合、病院での精密な検査をお願いする場合があります。それはごく稀ではありますが、ガンなどの悪性の腫瘍が痛みの原因となっている場合があるからです。

肝の臓の不調と「筋」

また東洋医学では、「筋」は肝という臓が深く関係しており、肝は「気」や「血」が円滑に体をながれるように働いています。そのため肝の臓にトラブルがおこると「筋」に関係する症状がでやすくなります。

感情(内傷)と腰痛

また肝は感情では「怒」と密接な関係があるので、強いイライラやストレス、過度の精神的な緊張などによっても、肝がやぶられて「筋」に関係する症状がでてくることがあります。

東洋医学では自らによって傷つけられるので内傷(ないしょう)といいます。

「病は気から」といいますのが、その典型的なパターンです。精神的なストレスでも腰痛になる。これは東洋医学では大昔から言われてきたことです(^^)

この場合は腰の治療ではなく、肝という臓のトラブルですから、腰ではなくて内臓である肝の治療をしていくことになります。このタイプは筋がひきつったり、筋がのびなくて痛いという方が多いでしょうか、とくに春にでやすくなります。

オ血(古血)や外邪(がいじゃ)による腰痛

他にも腰痛には、オ血(古血)といって、よどんだ血が停滞して痛みになっていたり、風邪(ふうじゃ)といって、カゼを引いたのがきっかけになっていたり、寒邪(かんじゃ)といって、体を冷やしたのが原因になっていたり、湿邪(しつじゃ)といって、消化器系のトラブルで体の水はけが悪くなっている場合などがあり、東洋医学では非常にたくさんのタイプにわけて適切な施術をしていきます。

まとめ

西洋医学では異常なしでも、東洋医学では異常がたくさん見つかる場合が多くあります。病院や整骨院では治らなかったその腰痛もお気軽に蓬庵にご相談ください。

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