手のひらや足の裏が汗でベタベタになる|症状の解説

東洋医学ライフを提案する蓬庵(よもぎあん)の和田です。

今日は、先日に患者さんから相談を受けた症状について紹介します。

その相談とは「手のひらと足の裏に汗をかきやすくべたべたになってしまう。」、たしかに手を触るとしっとり濡れています。自分たちも手の汗というのは、お灸をひねるときの天敵なので随分苦労しました。でも、お灸の練習を重ねるにつれて汗はかきにくくなるんですけどね。

何人かの先生に汗をとめるツボを聞きましたが、手のひらの真ん中の労宮(ろうきゅう)というツボや、母指球にある裏合谷といわれました。鍼をするにはどちらも痛そうな場所です(^^;)

今回紹介するのは、精神的な緊張で一時的に汗をかくのではなくて、日ごろから手足に汗が多いという方についてです。中医学的な病名としては「手足汗出」と書きます。

傷寒論(しょうかんろん)という古い書物には、

傷寒論

「胃主四肢,手足汗出者,陽明之證也。」

「胃は手足を主り、手足汗出る人は、陽明の証なり。」

と記されており、手足の汗は消化器系(脾・胃)のトラブルであることを示唆されており、大きく3つのタイプがあります。

目次

①脾胃湿熱(お腹に水と熱がこもっている状態)

原因

油っこいもの、甘いもの、味のしつこいものの過食、お酒をよく飲むなどにより、胃に熱がこもり水が胃に停滞して、手足に溢れ出すために手足に汗がでる。

随伴症状

浮腫、上腹部の膨満感、口の中がねばねばする、吐き気、嘔吐、口が苦いノドど渇くが飲みたくない(のむと気持ち悪い)、小便は色が濃く少ない泥状の便(臭く便器につきやすく流れにくい)、カスタード状のおりもの汗は臭くてべたべたする、体が重い、な

②脾胃気虚(お腹が弱ったり疲れている状態)

原因

飲食の不節(食事のムラ、過食や食べなかったり偏食)、大きな悩み事による精神疲労、肉体の過労などにより、脾の働きが悪くなり、水を運ぶ機能が停滞して、手足に水が溢れ出すために手足に汗がでる。

随伴症状

浮腫、疲労感、無気力で疲れやすい、食欲不振、手足に力が入らない、食後にお腹がはる、顔や手足が黄色くなる、泥状の便、など

③脾胃陰虚(脾胃の陰が不足している状態)

原因

辛いものの食べ過ぎ、発熱、慢性の病気、などにより脾胃の陰が不足して熱が生じ、水が手足に排泄させるために手足から汗がでる。

随伴症状

空腹になるが食欲がなく食べたくない(食べると気持ち悪い、すぐにお腹が大きくなる)、胃のあたりで灼熱感や不快感、口や舌が乾燥する、ノドが渇く、便秘気味、痩せる、など

この他にも例外はありますが、大きくこの3つのタイプに分けて治療をしていきます。

足の汗というのは飲食や胃が関係

最近は汗や臭いなどを気にする方が多いですが、まずは、お菓子、揚げ物、お菓子、こってりの濃い味付け、お酒、外食を控えることが改善への第1歩だと思います♪

汗はお腹に熱がこもるほど臭くベタベタするようになります。タオルで拭いて落ち着くというよりは、シャワーをしたい感じの汗です。逆に体が弱っているときには、体から漏れでるように、しっとりと汗がでてきて、疲労するとより汗が漏れでてきます。

手足の汗に関するトラブルは鍼灸でお腹の調子をととのえることでよくなる場合があります。

もし、お困りの方がいましたらお気軽にご相談ください。その症状は鍼灸で改善できるかもしれません。

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