第1回 蓬庵てい鍼ワークショップ|開催報告

てい鍼ワークショップを開催したので報告します。

2019年4月3日(水)

こんにちは、東洋医学ライフを提案する橋本市の隠れ家鍼灸院こと蓬庵の和田です。

蓬庵で、鍼灸の先生、鍼灸学科の学生を対象に、てい鍼の作成例の紹介や使い方を学ぶワークショップを開催しました。

鍼灸師むけの内容となりますが、一般の方もよかったらご覧ください。てい鍼というのは刺さない鍼のひとつです。ツボ押し棒のようなイメージがわかりやすいもしれません。

ワークショップの開催経緯などはこちらをご覧下さい。

https://yomogian.com/182.html

ワークショップでは、てい鍼への理解を深めるために内容のひとつとして作成例を紹介して各々の希望する形で作成しました。

なお、作成は研究目的で販売を目的とするものではありません。和歌山県福祉保健部健康局薬務課に助言を頂き安全に留意してして実施しています。

目次

てい鍼ワークショップ

写真で振り返るワークショップ

当日の様子をたくさんの写真で振り返っていきます。

1、いろいろな接触鍼、てい鍼

参加者が所有している接触鍼、てい鍼をだしてもらい普段どのように使っているのかを紹介してもらいました。そして蓬庵が所有している鍼を使い、鍼によって特性や違いをあることを肌で体感してもらいました。

また施術における「気」の感覚が、どういう感覚なのかを体感してもらいました。人により個人差はあるもののみんな体感することができました。

一通りの説明が終わったところで、実際に手に取って使ってもらいました。真鍮、銅、銀、金、チタン、それぞれ個性があります。どれが一番あたたあい、冷たい、パワーが強い、などを体感してもらいました。

同じ素材でも、冷たい状態で使うのと温めて使うのでは変わったりもします。

2、作成開始

実際に使った印象で、自分にあった素材や形を考えていきます。みんなすごく迷っていました。素材(銅、真鍮)、太さ(6㎜、3㎜)、長さ、先端の形を考えます。決まったら希望の長さより数㎜長め(削ると短くなる)に印をつけます。

多くの方はこの2つの形を参考にされていました。

3、希望の長さに切断する

金属用の糸鋸で切断していきます。実はこれが大変な作業のひとつだったりします。それでも電動の工具で切断するよりも安全なので地道に切ってもらいます。

丁寧に切った方が後の作業が楽です。あとに切断面を整える必要があります。

4、ヤスリで荒削りをする

電動工具で回転させ荒い金属用のヤスリを使ってだいたいの形を作っていきます。この作業は二人で協力してやります。回転旋盤などの専用の工具であればその必要はないのですが、あくまでも家庭でもできる作成例の紹介です。

患者様の工場に回転旋盤があるということなので、今後もしかしたらそちらも使わせてもらうかもしれません。

ここも丁寧さが大事になります、手がぶれて目的以外のところに深いキズを作ってしまうとあとから消すのが大変です。一応、保護のためにビニールテープをまいています。

この作業をしているときに素材がゆるんできます。素材がゆるんでがたつくと、中のツメで素材がとても傷ついてしまうので注意が必要です。また完全に回転が止まるまでは素材に触ってはいけません。

必ず手の保護のために厚手の作業用グローブをしてください。鍼灸師にとって手は大事な仕事道具です。

5、紙ヤスリ、耐水ペーパーでみがく

320~2000番までを6段階ほどにわけてみがいていきます。320番、500番で希望の形までととのえておく必要があります。あとは細かいキズを順番に消していきます。

この作業も丁寧にするかどうかで仕上がりが決まります。言ってしまうと、どの作業も丁寧にやる必要があります。

最初は不器用な手の動きですが、みなさんどんどんスピードの調節をしながらうまくみがいていきます。このころから集中してどんどん無言になっていきます。

学生さんのうち3人は特殊な形にしたので、手で必死にみがいています。

6、金属磨きで最終仕上げ

今回はピカールという商品を使いました。他にも金属に応じたものなど、いろんな種類のものがでています。

あとは全体的にピカピカになるまで磨きます。

7、てい鍼の完成

これは新3年生になる専門学校の学生さんが作ったものです。このうちの3本は先が斜めに削られています。この形は珍しく手になじみやすそうだからとチャレンジされましたが大変そうでした。←忠告はしました。

それでも時間をかけて苦労して作ったので、愛着のわく最高の1本になったのではないかと思います。

私も作りましたが少し時間がかかりました。

8、作った鍼で実技

今回のワークショップの目的が製作になっていた方も少なからずいたと思いますが、本当の目的はそれだけではありません。あくまでも製作はその内容のひとつです。

てい鍼がどういう特徴の鍼なのか、どういう風に施術で活用するとよいのか、また「気」の扱い方やヒーリングのテクニックなどもお伝えしました。

メンバーによりお伝えする内容を変える予定でしたが、てい鍼に興味があるというだけあって感覚がいい方が多かったです。

最初は皮膚に対して物理的に刺激をする使い方をやりました。これは「気」の感覚がわからないという方でもできます。皮膚や筋肉が緊張しているところを中心にやっていきます。写真は膀胱経や腰痛に対するアプローチをしています。

腰部のツボに対するアプローチをしています。ただあてているだけでもいいですが、深層の筋肉に鍼が刺さっているイメージ、左右に回転するイメージ、そういったイメージをくわえるとどう変化するのか体感してもらいました。

ツボに対するアプローチは下腹部にある関元穴からはじめました。大きなツボなので変化がわかりやすく、この場所は弱っている方が多いので上手に鍼ができる「気」が充実してきます。

「気」というと難しく感じますが、きちんと「気」が充実してめぐりだすと呼吸が大きくなります。また目の奥に輝きがでてきます。これは視覚的に確認できるので、みえない「気」の世界のはなしではありません。

この変化を関元穴(もしくは気海穴)で体感してもらいました。

最終的には少し特殊な領域のはなしもしました。かざして施術する方法、てい鍼を身体の悪いところをさがすダウジングのような使い方、停滞しているエネルギーを流す方法をやりました。

後半はあくまでも一例としてヒーリングのテクニック、離れた場所から遠隔で施術する方法など少しあやしい領域のはなしも紹介しました。

大阪で東京の人を遠隔で施術するような先生もいますが、まずは目の前にいる人をきちんと改善できるようになること、基礎的な技術がみについていることが前提となります。

学生さんも頑張って実技をしてくれました。まだ素直で余計な知識が入っていないからでしょうね。短時間でしたが段階をおってやっていくと、きちんと効果のでる施術を修得してくれました。

逆に「ここまでできるようになるの?」とビックリしました。

「これはすごくあたたかい」、「あっ、かたいのがゆるんだ!」、「この方が強く「気」を感じる!」、施術者も受けてる方も、きちんとかたいのがゆるんだのがわかること、これは臨床ではとても大事なことです。

私は不器用なので苦労して身につけてきたけど、みんなすごいです。施術した前後で体の軽さや動きを確認してもらいました。みなさん体の軽さや動く範囲が大きくなっていることを確認してもらうことができました。

しかし接触鍼は、学校でならう基礎にはじまり、まずきちんと刺す鍼ができるようになってから使うことが前提にあると思っています。また感覚的な部分も大切ですが、理論的な部分の裏付けも大切になります。

学生にはそのあたりも含めて誤解のないように忠告しつつ、刺す鍼にも応用できるように施術の姿勢などからアドバイスさせて頂きました。

まず、「鍼灸はおもしろい!」、「きちんと効果がでる!」、それを知ってもらうことを大事にしました。

番外編

てい鍼は魔法の杖?

目指すはハリ(鍼)・ポッター?

学生さんに作ったばかりの鍼で思いおもいに施術をしてもらいました。てい鍼を「ちちんぷいぷい」と言ってつかう魔法の杖のようなイメージをもっていた方もいたようです。

きちんとした基礎の技術や経験が大事になりますが、魔法の杖のように「かざす」という使い方もあることもお伝えしました。

まとめ

最初、ある程度てい鍼をつかっており興味があるという参加者が多いのかと思っていましたが、初心者でとても興味があるという方も多く、はじめての1本という方もいました。

てい鍼は万能ではありません。そして、てい鍼だけでは十分にアプローチできない部分も臨床ではあります。

それでも、てい鍼を使えないのと使えるのでは、絶対に使えた方がよい鍼だと思います。刺す鍼が苦手な方の導入として良いと思いますし、子供の施術も使えます。

今回のワークショップで参考になったことがあれば嬉しいですし、いろいろ工夫してもらえたらと思います。

はじめての企画なので今回はテストの要素が多かったのですが、思っていた以上の手応えがあったのが正直なところです。

参加者に満足のいく1本を作って頂けたこと、学生さんにも効果を実感してきちんと効果をだせるようになってもらえたことは、私もとても嬉しかったです。

狭い場所なので数回にわけて開催しました。東京都、奈良県、三重県、兵庫県、大阪府、和歌山県と遠方からも参加して頂きありがとうございました。

顔だしOKということだったので最後に記念撮影しました。

クラウドファンディング

そして東京都からクラウドファンディングで参加費を募って参加してくれたのは、訪問はりきゅう上達ラボ代表の岡野浩人(おかのひろと)先生、協力者の名前が入ったオリジナルTシャツを頂きました。

こういう形の参加もあるのだと驚きました。遠方からの参加ありがとうございました。

参加者のブログ記事

*大阪市住吉区長崎はりきゅう接骨院ブログ

【てい鍼ワークショップ】自分だけの「刺さない鍼」を作ってきました!

http://nagasaki-harikyu.jp/wpblog/teishin/

*訪問はりきゅう上達ラボ

何かをみつける旅 〜てい鍼ワークショップに参加してきたハナシ〜
https://houmon-shinkyu.jp/archives/teishin-workshop.html

参加者の感想

名前(Iさん)職業(学生)地域(大阪府)性別(女性)

ふだんリラクゼーション(マッサージ、ボディケア)の仕事をしているので、あわせててい鍼もできるようになれたら良いなと思ったので、今回参加する事ができてとても良かったです。市販のものを購入するよりもずっと愛着が沸きました。

「気」を意識しててい鍼を使用してみて、鍼治療の時のイメージもしやすかったです。(「局所に刺鍼」などが今までほとんどなので)、意識することで「全体を意識して診る」という感覚もなんとなくわかった気がします。てい鍼だけでなく、鍼の魅力がわかった1日でした。ありがとうございました。

名前(Eさん)職業(鍼灸師)地域(大阪府)性別(女性)

ていしん さいこう!
よもぎあん さいこう!
めっちゃたのしかったです!!
またつくりたいな~(^_^)
ありがとうございました!!

名前(Kさん)職業(学生)地域(奈良県)性別(男性)

接触鍼を一から作成でき、道具への有り難みと愛着が持つことができました。実技でも新たな発見があり、早速今から続けて使っていき、自分のものにしたいと思います。終始和やかな雰囲気で体験でき、とても楽しむことができました。また参加したいです。本日は有り難うございました

名前(Nさん)職業(鍼灸師)地域(奈良県)性別(男性)

鍉鍼、使い易い。
和田先生のお話しも楽しい。
勉強になりました。

名前(Nさん)職業(鍼灸師)地域(和歌山県)性別(女性)

てい鍼の効果にとても驚きました。また、自分で作ったてい鍼なので愛着がわきました。マイてい鍼、使っていきたいと思います。ありがとうございました。

名前(Oさん)職業(会社員、鍼灸師)地域(東京都)性別(男性)

ワークショップ前から情報発信をして下さっていましたので、当日は難しく考えることなく素直に制作および実技を行う事ができました。違うタイプのてい鍼をまた作りにきたいです。ありがとうございました。

名前(Hさん)職業(鍼灸師)地域(大阪府)性別(男性)

自分がイメージしていた通りのてい鍼を作ることができ、大満足しています。また、てい鍼作成時の和田先生のアドバイスがあったのもとても助かりました。実際に自分はどの様にてい鍼を治療に使うのかよくわからないことが多かったのですが、てい鍼の実技もあり今後の治療に今日作ったてい鍼を使っていきたいと思います。

名前(Yさん)職業(学生)地域(三重県)性別(女性)

てい鍼作りでは、いかに作業をていねいに行うことが需要であるかを実感しました。(銀鍼でリベンジしたいです。)、実技では気の流れを感じること、それをどのようにコントロールするかを学べ、新鮮かつ楽しむことができました。ありがとうございました。

名前(Yさん)職業(鍼灸師)地域(大阪府)性別(女性)

てい鍼に触れる機会がなく、今まで治療してきましたが、作ることから使うところまで経験できて、また効果も実感することができてよかったです。これからもたくさん使っていきたいと思います。ありがとうございました。

名前(Fさん)職業(学生)地域(兵庫県)性別(女性)

みっちり教えて下さり、貴重な体験をありがとうございました。ていしんが何かもわからなかったですが、毎日使えそうです。一個持ちだしたら、いろんな重さを試したいなと思わせる勉強会でした。

名前(Oさん)職業(学生)地域(大阪府)性別(男性)

自分の作りたい太さ、素材、形を選んで1からつくれたので、「自分の身体の一部」のような感じ。愛着がわくので、とても良い。鍼を打たれるのが苦手な人が、受け入れてもらえるように、活用していきたい。ぜひ、次回は「銀」でやりたい。

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