東京で第2回の「てい鍼ワークショップ」を開催しました。
2019年7月6日(木)
こんにちは、東洋医学ライフを提案する橋本市の隠れ家鍼灸院こと蓬庵の和田です。
先日の日曜日に、鍼灸師の先生、鍼灸の学生さんが対象ですが、第2回の東京でのワークショップを開催しました。
今回は、東京都、埼玉県、そして東北からも参加をして頂きありがとうございました。
※てい鍼は一般医療機器非能動型接触鍼などとして分類されることがあります。今回は、てい鍼の特性を知るための研究目的で作成しております。また、和歌山県福祉保健部健康局薬務課に助言を頂き安全に留意して実施しました。
第2回 東京てい鍼ワークショップ
東京で開催
東京でも開催をして欲しいという要望があり、作業と実技ができる場所がみつかれば東京でも開催するという話をしていたのですが、ありがたいことに場所を提供して頂けることになりました。
少人数のワークショップのためすぐに募集の定員がうまってしまい、第2回の開催が募集した午後には決まりました。
いざ東京へ!
4時過ぎに起きて橋本駅(南海電車)の始発に乗りました。今回も前回と同じ5時6分発の電車にのりました。
大阪ではG20の開催による影響で、その日まで厳重な警戒や交通規制となっていました。それでも新幹線でスムーズに東京へ向かうことができました。
東京駅から日暮里駅にむかいます。そこから日暮里・舎人ライナーで扇大橋駅へむかいました。日暮里駅の切符の記念印(無効印)はネコでかわいかったです。有人改札にいくと切符に無効印を押してもらい持ち帰ることができます。
今回は、梁田鍼灸院(東京都豊島区駒込)の梁田先生のご紹介で足立ガレージ “kikkake”さんをおかりすることになりました。駅からの送迎もありがとうございました。
てい鍼の座学
簡単にお互いの自己紹介をしてはじめていきます。今回は女性5人、男性1人、そのうちの1人が学生さんでした。
ガレージにある中二階の部屋で座学をやりました。中二階なので中腰でしか立てません、そして雰囲気のある少し暗い部屋なんです。勉強会というよりも秘密基地や隠れ家バーのようなところでした。
てい鍼の古典的な位置付けや注意点などを説明して、実際にいろいろな形や素材の鍼を触ってもらいました。
太さは細いのや太いの、先は丸いのや尖ってるの、素材は真鍮、銅、ステンレス、亜鉛、銀、金、チタン、金メッキなどの鍼があります。一緒にザン鍼や調気鍼も紹介しました。
今回の参加者も目をキラキラさせながら鍼をみていました。やはりマニアックなワークショップには鍼が好きな方が集まります。
素材や形の特徴を体感してもらいましたが、薄暗い部屋で真剣な顔でやっているのでなんとも怪しい雰囲気です。これだけをみると「闇取引にしか見えないよね!」と参加者でもりあがりました。
金は温かい、銀はスーッとするなど、人によって感じ方が違うのですが、自分が受けていて心地よい鍼、使ってみて使いやすい鍼などを考えながら触ってもらいました。
触っているとこれがしっくりくる形や素材というのがあります。金の鍼は高いですが素材そのものに価値があるので、もっておいても不要となれば希少金属として売ることができます。
今回は参加者の方が撮ってくれていたので私も写っています。
寛永5年(1665年)の『十四経発揮』
今回阿も江戸時代の寛永5年(1628年)に出版された『十四経発揮』をもっていきました。古い資料のあじわいを楽しくみてもらえてよかったです。
実際に鍼の使い方をデモンストレーションでみてもらいました。てい鍼の使い方を印象づける時間なので私としては緊張する時間です。
みなさん何かしらの変化を感じてもらえてよかったです。
お昼休憩
時間を節約するために今回はお昼を持参にしてもらいました。「足立区はどんなところ?」というはなしで盛り上がりました。
おやつの差し入れもありがとうございました。何やら人気のお菓子だそうで美味しかったです。
てい鍼の作成
お昼休憩をおえたら作成の開始です。女性の参加者が多いですが頑張っていきましょう!
素材はこんな感じです。長いままでは電車移動が危ないので短くしてもっていきました。
今回も素材から希望の長さを切り出してヤスリで形をととのえていきました。
大変ですが希望の長さにカットしていきます。丁寧に切った方が断面を整えるのが楽なので慎重に切っていくことが大事です。
また切り始めは安定しないので慎重に切りはじめます。ガードにテープを巻いておくのも良いです。
金工用のヤスリで希望の形に整えていきます。両手でヤスリを持つと安定しやすいです。
そして必ず手の保護のためグローブをしてください。そしてドリルを使う場合は回転が止まるまで絶対に触ってはいけません。手を巻き込まれます。
最初は苦戦しますが、なれてくるとスムーズに削れるようになってきます。
荒削りの作業が終わったら紙ヤスリで磨いていきます。この作業を丁寧にやるかどうかで仕上がりに関わってきます。指先にガリガリとひっかかる感じがあるようなら、まだまだ磨く必要があります。
320~2000番ぐらいまでの紙ヤスリをつかいやっていきます。
「紙ヤスリすごい!、どんどんピカピカになっていく!」と感動されていました。
今回はガレージの作業場なので、これだけをみると鍼灸の勉強会にはみえませんね。広い作業場なので今までよりもスムーズに作業ができました。
てい鍼の実技
作ったてい鍼で実技をします。今回も、なでる・押す・叩くといった物理的な刺激ツールとしてのてい鍼の使い方にはじまり、経穴(ツボ)をや経絡を使った使い方をやっていきました。
経穴を使った練習では、下腹部にある関元穴を使い呼吸や目の輝きの変化で「気」のめぐりを体感してもらいました。夢分流の「火曳之鍼」を紹介し、具体的な臨床での使用方法を紹介しました。
お腹の状態をよく観察して、冷えや緊張がある場所を作ったてい鍼とっていきます。鍼をあてて「気」が集まってくるのを待つ、またトントン軽く叩いて散らしていく、体の反応にあわせて施術してもらいました。
入口がガラス張りになっているので、何をしているのかと不思議そうに見ていく人が多かったです。ガレージの作業場でベッドをおいて、みんなで取り囲んで何かしているんですからそれは不思議な光景です。
実技はそのときのメンバーにあわせて少し変えているのですが、今回もとても盛り上がりました。18時までの予定は大幅にこえて18時45分ぐらいまで実技をやっていました。
やっぱりいつも時間がたりなくなってしまいます。今回は美乳(バストアップ)の施術方法も少しやりました。
まとめ
トータルすると8時間ほどですが、それでもあっという間の1日でした。少人数で作業や実技をしながら8時間ほどいると、みんなとても仲良くなります。それもこのワークショップの良いところだと思っています。
多くの鍼灸の勉強会は、実技を見ているだけや座っているだけのことも少なくありません。懇親会などがなければ誰とも話をせずに帰るなんてこともあります。それとは真逆なワークショップです。
最後はみんなで記念撮影をしました。この縁がまた違うところでもつながっていくと嬉しいです。
参加者の方が作られたものです。それぞれの長さや太さ、針先の形になっています。それぞれいいものができたと思います。きちんと使えることを実技で確認しています。
東京でのワークショップはやはり緊張しましたが、梁田先生のご協力もありトラブルやケガもなく終わることができました。本当にありがとうございました。
また東京にも伺いたいと思います。
今回は帰りの時間を気にしなくても大丈夫なように東京に宿泊しました。またプライベートブログの方で書いていきます。
過去のワークショップの記事
https://yomogian.com/20190617.html
参加者のTwitterのツイート
この間の@yomogian2011 さんの
ていしんワークショップに参加したときのブログレポ書いたよー!ていしんを自分で作ってから
他のはりの道具へも形状のイミを感じるようになってる。https://t.co/eGibjqPGyB— 副鼻腔炎のお悩みに橋本鍼灸院:橋本由紀子 (@hashimotoshin9) 2019年7月4日
やなけん@ken_yanada の秘密の隠れ家で、蓬庵さん@yomogian2011 のてい鍼ワークショップ座学スタート! pic.twitter.com/97Y24ZUw8j
— 副鼻腔炎のお悩みに橋本鍼灸院:橋本由紀子 (@hashimotoshin9) 2019年6月30日
出来上がったていしんを使って
実技に落とし込む。わたしは先に帰らないといけないので、後ろ髪を引かれながら
2階の隠し部屋から撮影。 pic.twitter.com/FczQf0kzy3— 副鼻腔炎のお悩みに橋本鍼灸院:橋本由紀子 (@hashimotoshin9) 2019年6月30日
本日の学び
気のイメージ
患者さんにも気の流れをイメージしてもらう。術者がリーダーシップをとって一緒に気の流れを正常に近づける
気を操るだけだと
ただの気功師理論が大事( 経絡 )
古書を見せると興味もってもらえる
→イメージ湧きやすい
( こういう道具も大切 ) pic.twitter.com/agtmTQgpYp— らいむ@ゆるい鍼灸 (@AcupunctureLime) 2019年6月30日
貴重な物を拝見させて頂いて
不思議な体験した後の
お菓子ですらなんか凄く感じる
鍼灸師 Magic✨たこ焼き味ポテトありがとうございました😋 pic.twitter.com/QWupNImEU0
— らいむ@ゆるい鍼灸 (@AcupunctureLime) 2019年6月30日
和田先生の
てい鍼コレクションこれ見てワクワクするのは変態ですって(゚∀゚) pic.twitter.com/BEoq7PntRC
— らいむ@ゆるい鍼灸 (@AcupunctureLime) 2019年6月30日
参加者の感想
名前(Oさん)職業(学生)地域(東北)性別(女性)
いろいろなてい鍼と、その使い方が学べてよかった。少人数の勉強会は初めてで、まわりは先生ばかりだったのでとても緊張してしまいました。ありがとうございました。
名前(Hさん)職業(鍼灸師)地域(東京都)性別(女性)
金属の性質、太さによる活かし方を実技を交えながら学べて、明日からの臨床に即役立てる内容ばかりでした。11:00-17:30まで、昼食30分を入れても無駄のない教え方で和田先生さすが!!と感動しています。
また実技の勉強会を開催してほしいです。今日はありがとうございました。
名前(Yさん)職業(鍼灸師)地域(東京都)性別(男性)
てい鍼の考え方、気のとらえ方、イメージなど、感じるという部分でとても勉強になりました。
名前(Mさん)職業(鍼灸師)地域(埼玉県)性別(女性)
自分のオリジナルてい鍼を作ることができて大変満足しました。作ってみて職人のすごさにもおどろきです。改めててい鍼を深めたいと思いました。参加させていただきありがとうございました!!
名前(Nさん)職業(鍼灸師)地域(埼玉県)性別(女性)
とてもアットホームな感じで楽しく学べました。実際につくったてい鍼で実技も出来てとても充実した勉強会でした。Myていしん可愛がってこれから沢山使っていきたいと思います。遠くからご指導頂きありがとうございました!!!
また機会がありましたら続編よろしくお願いします。
名前(Sさん)職業(鍼灸師)地域(群馬県)性別(女性)
てい鍼作り、実技ともりだくさんでとても充実した1日でした。てい鍼はもっていましたが、使い方がよくわかってませんでしたが、今日の実技でよくわかりました。
練習してしっかり使いこなせるようにしていきたいと思います。リクエストでバストアップの実技もありがとうございました。呼吸も楽になりそうですね。ありがとうございました。