てい鍼ワークショップ開催についてのお知らせです。
2019年2月24日(日)
こんにちは、東洋医学ライフを提案する橋本市の隠れ家鍼灸院こと蓬庵の和田です。
はり師、鍼灸学校の学生さんが対象となりますが、刺さないハリのてい鍼のワークショップを開催することになりましたのでお知らせます。
また、簡単に刺さないハリのてい鍼について紹介させていただきます。
てい鍼ワークショップ
開催のいきさつ
SNSで「てい鍼」の素材や形状についてコメントしたところ、興味があるという先生がいたので開催することになりました。
てい鍼は使用用途にもよりますが、素材や形状によって性格のようなものがあります。その特性をうまく活かすことで、より効果をだすことができます。
てい鍼ワークショップの詳細
いろんな素材や形状の「てい鍼」に触れてみよう!
日時:平成31年3月17日(日)
予定通り開催されました。当日の様子は以下をご覧ください。
なお、和歌山県福祉保健部健康局薬務課に助言を頂き安全に留意して実施しました。
てい鍼の作成方法
てい鍼の作成方法には複数あります。型にとけた金属を流し込んで作る鋳造、地金を専用の器具で整形したり叩いて作る鍛造、また形をととのえた素材から削りだして作る場合があります。
ステンレスや銅など安価で販売されているものは鋳造で量産して作られていることが多く、オーダーメイド、純銀や純金といった素材のものは職人さんが1本1本を形成された素材から削り出して作られていることが多いようです。
一部では鋳造で作った方がよいとされています。希望の形を自分で作り業者に鋳造を依頼する方法もあります。
今回は「銅」と「真鍮」の丸棒の素材を削って形をととのえる方法を予定しています。
作成手順
簡単に手順を説明します。
※参考にして作成される場合は、グローブ、ゴーグル、マスクをするなど十分に注意して、自己責任で実施してください。
0、素材と道具の準備
彫金の材料を扱っているお店で相談すると、必要な道具や素材について親切に教えてくれます。私が最初に買った銀の素材、糸ノコやヤスリなどです。
1、丸棒を切断
まずは希望の長さに糸鋸で切断します。
銅と真鍮の丸棒の素材を今回は用意しています。
2、ヤスリで荒削り
電動工具で回転させながらヤスリで荒削りします。電動工具はなくてもできますし、できれば卓上旋盤があれば理想です。
3、耐水ペーパーでととのえる
荒削りで理想の形ができたら、耐水ペーパーの番手をかえながらさらにみがいていきます。この段階で細かい傷は消しておきます。
4、金属磨きで鏡面仕上げ
細かい傷がなくなったら、最後は研磨剤がはいった金属磨きでさらにみがいて鏡面にしていきます。表面がマットな感じがよければ耐水ペーパーの段階で終了します。
研磨剤はいろいろありますが、真鍮や銅ならお坊さんが法具をみがくのに大活躍しているピカールでよいと思います。他にも素材にあわせた研磨剤もあります。シルバーようのクロスなどを使ってもよいです。
ピカールは研磨剤で削る、あと鏡面にするのにブルーマジックというのも有名なのですが、こちらはポリッシュなので削るのではなく傷をうめて鏡面にします。
5、てい鍼の完成
片側のみ半球面、後ろは平面で角だけ落としたので、時間は30分ほどでできました。卵形やスリオロシはもう少し時間がかかります。
真鍮×6㎜×65㎜×半球面
槌で叩く打鍼術などで使用するのに作りました。
他の最近に作った作品の紹介
真鍮と銅、6㎜・3㎜・2㎜・1㎜の素材を使っています。
銅の素材で作りました。とくに希望がなければ太さが3㎜、長さは75㎜ぐらいが手におさまって使いやすいように思います。
尖端を卵形にしました。えん鍼のように使うときは6㎜の方が便利です。
こちらは砥石を使いスリオロシにしました。作るのに少し時間がかかりました。ツボにあてるとジーンとよくひびきます。
少し変わった形のものも作ってみました。
真鍮×110㎜×6㎜×尖端斜め
横からみるとわかりますが、尖端を斜めに削っています。
真上からみるとこんな感じです。実際に使いやすいかどうかは当日に手にとって確認してみてください。
他にも銀や金の素材を使っても過去に作ってみました。
鍉鍼についても、お気軽にご連絡ください。