蓬庵で鍼灸や整体で施術している症状について、私見を中心に書いていきます。
今回は症状の解説ではありませんが「看護師の鍼灸・整体」についてです。
蓬庵に施術に来られる業種の中で医療従事者は意外と多いのですが、その中でも看護師は1番に多いと思います。
これは他の鍼灸の施術所でもそうではないかと思います。
看護師をされている方は健康への意思が高い方も多く、東洋医学や鍼灸に興味があって来られる方も多いです。
そして普段は西洋医学に関わっているけれども、西洋医学に欠点も感じており自分の体は東洋医学を選ぶという方もいました。
よく「西洋医学」と「東洋医学」のどちらが良いのか??というような話にもなりますが、どちらが良いかというよりも役割が違うと思います。
やはり薬を使った方が早く治る症状もありますし、検査をすることでわかることもたくさんあります。そして器質的に問題があるものは手術が必要な場合もあります。
そういったことを無視して鍼灸や整体の施術をしていくことはできないので、まずは西洋医学の側面から考えていきます。
それでも検査では異常がない症状、薬だけでは十分に効果が期待できない症状では有効なケースがありますし、肩こり、頭痛、不眠、イライラ、更年期障害、ストレスなどは東洋医学の得意分野になります。
鍼灸師の中には看護師になってからさらに学校(専門学校なら3年)に通って鍼灸師になる方も少なくはありません。
私も勉強会などで6人以上は看護師の資格がある方とあってきました。
自分が鍼灸で良くなった経験がある。看護師より鍼灸師の方ができることの自由度が高いなど理由は様々でした。
職業に看護師と書かれている方の身体をみて1番に感じることは、大きな総合病院で働いている方は体が悪い方が本当に多いということです。
もちろん体調が悪くて施術にきているのですが、その中でも体の状態が悪い方が多い印象があります。
肉体的な疲労が高いだけでなく、精神的な緊張感が高く心身ともに疲労してしまうのだと思います。
また夜勤を続けていると 30 代後半ぐらいから体力面で大きな変化がでてきます。寝ても疲れがとれない、不眠で寝られない、心身の不安定などがあらわれやすくなります。
病気の知識があり医師の診察や薬が身近にあるので、鎮痛剤、湿布薬、睡眠薬、精神安定剤に依存したり乱用する傾向もあります。
ストレスの発散もうまくできないことが多く、過食、飲酒、喫煙になりがちです。
近年は病院での禁煙がすすみ喫煙をされる方は減っていますが、アルコール依存症のような状態の方も少なからずいます。
それにより症状がより複雑になってしまっているケースもあります。
40 歳以降では更年期、親の介護、子育ても重なり、逃げ場がなくとてもしんどさを感じていたり、身体に不調がでてしまう方もいます。
大きな疲労により「こころ」が病んでしまうこともあります。東洋医学では心身一如(しんしんいちにょ)といって、「こころ」と「からだ」の大きな関係があるとされています。
できれば、そうなる前に鍼灸や整体というカラダのケアも選択のひとつにいれてもらえたらと思います。
疲労やストレスにより体の緊張が高い方と、疲労や過食により体にハリがなくフニャフニャの方がいます。
体の緊張が強いと肩こりが強くイライラしやすいですし、体にハリがなくフニャフニャだとだるさや重さ強く気分が落ち込みやる気がでません。
東洋医学では実(じつ)と虚(きょ)という分け方をします。両方がある虚実夾雑(きょじつきょうざつ)という状態もあります。
実(じつ)→エネルギーの過多や停滞
緊張が強い、イライラ、ストレス、肩こり、頭痛、ため息、腹痛、月経痛
虚(きょ)→エネルギーの不足
フニャフニャ、気分の落ち込み、無気力、すぐ疲れる、食欲不振、倦怠感
お身体の状態にあわせて必要な施術をしていきます。
ストレスにより頭、首、肩、胸郭の緊張が強いケースが多いので、まずはそれを改善していきます。
頭痛、めまい、耳鳴り、不眠症、息苦しさ、冷え性など多くの症状がある場合もあるので、それぞれに応じた施術やツボを選んでいくことになります。
緊張やイライラに関係する肝の臓のツボ、心配や不安に関係する心の臓や背中のツボ、疲労に関わる腎の臓のツボを使うことが多いです。
内関(ないかん)、合谷(ごうこく)、太衝(たいしょう)、足三里(あしさんり)、膻中(だんちゅう)、百会(ひゃくえ)、神道(しんどう)、霊台(れいだい)、至陽(しよう)、心兪(しんゆ)、肝兪(かんゆ)、脾兪(ひゆ)、太渓(たいけい)、関元(かんげん)、肩井(けんせい)など
しんどいときは無理をしない。そしてまずは自分を満たすということです。
相手に何かを分け与えようと思うと、まずは自分が満たされていないとできません。
とくに病気の人を相手にしているとそれだけで疲れます。
なのでまずは自分を自分で満たします。
自分のご機嫌は自分でとります。なかなか人はやってくれません。
しんどいときにはしっかりと休息をとりましょう。お風呂や温泉でしっかりリフレッシュしましょう。
女性の方に多い甘い物やパンなどの過食は、東洋医学の養生の側面からは決してオススメは出来ませんが、それしかストレスの発散の方法がなければ「罪悪感」を持たずに食べましょう。
後悔をしながら食べると二重でしんどいです。
現実的には難しいことも多いですが、体の緊張には適度の運動も大切です。じっとしていると「気」が停滞します。
スポーツジムなどでの運動よりも、大きく外で体を動かすウォーキング、呼吸も意識しておこなうヨガがオススメです。
まずは蓬庵までお気軽にご相談ください。
カウンセリングでしっかりお身体の状態をお聞きして施術をすすめていきます。