咳(せき)の鍼灸・整体|風邪、喘息、ストレス、新型コロナウイルス後遺症– 蓬庵(よもぎあん)和歌山県橋本市高野口町の鍼灸院、整体院 –

咳(せき)の症状解説|風邪、喘息、ストレス、新型コロナウイルス後遺症  和歌山県橋本市高野口町

蓬庵で鍼灸や整体で施術している症状について、私見を中心に書いていきます。

今回は「咳(せき)」についてです。

長くなるので先に要点をまとめておきます。詳しく知りたい方は最後まで読んでみてください。

最後には養生法や良い食べ物についても書いています。

鍼灸や整体でも「咳」へのアプローチをすることができます。

日頃から施術をしている方は普段の状態がわかっているので幅広く「咳」の症状に対応できるのですが、初回の方はまず病院へ受診してから施術にきてください。

風邪や喘息の「咳」だけでなく、新型コロナウイルス後遺症の「咳」も良くなったケースがあります。

また、病院の検査ではとくに異常がないと言われたり、長期に続く「空咳」などはストレスから症状がおこっている場合が多くあります。その場合にはストレスに対する施術でよい成果がでています。

また小児の症状にも対応することができます。

鍼灸や整体の施術所に「咳」を改善したくて来られる方は多くはありません。そして「咳」も施術できることを知らない方の方が多いと思います。

定期的なメンテナンスで来られている方、痛みの施術でこられたときに「咳」の症状があれば一緒に施術をさせて頂くことが多いです。

咳で夜も寝られなかった方、薬を飲んでも1週間以上続いていた咳がピタリととまったと喜ばれることが多いです。

西洋医学

まず、西洋医学的な側面から施術が可能なのかを検討します。

風邪、花粉症、インフルエンザ(その他の感染症)、咳喘息、気管支炎、アトピー咳嗽、胃食道逆流症、食物アレルギー、新型コロナウイルス後遺症などを視野に考えます。

これらの場合の多くは施術が可能と判断します。

その他に肺結核、百日咳、肺血栓塞栓症、肺がん(その他のがん)、心臓疾患、膠原病などが疑われる場合は病院の受診をすすめます。

風邪をきっかけに咳喘息や気管支炎に移行して症状が長く続くことも珍しくはありませんが、「咳」が1週間以上にわたり続く場合や薬を飲んでも症状がよくならない場合は医師に相談するのが良いと思います。

蓬庵では聴診器を使い最低限の状態は確認をしますが、病院での血液検査やX線検査でないとわからないこともありますからね。

東洋医学

上記を踏まえて上で施術が可能と判断したら、東洋医学的な側面から「咳」を検討していきます。

・咳はいつからか?

・咳がでやすい時間(早朝、午前、午後、夕方、夜、深夜)はあるか?

・咳がでやすい条件(体勢、動作、場所、天候)はあるか?

・どんな咳(空咳、痰(タン)の絡む湿った咳)がでるか?

・他にどんな症状があるか?

その他にも症状の経過、既往歴、飲んだ薬なども聞いたあとに、舌、脈、お腹などもみて総合的に判断をします。

これが東洋医学(中医学)の弁証論治というやり方です。

施術

よく「咳」にはこのツボ!というようにネットや本で紹介されていることもありますが、「咳」というだけでそのツボを選ぶことは蓬庵ではありません。

東洋医学でも「咳」に多数の原因があり、症状の重さも変わってきます。それによりツボや施術する方法が変わってきます。

たとえば風邪であっても、冷えている段階であれば冷えをとりますし、熱がこもってきている段階であれば熱をとります。痰(タン)がからむことで「咳」がでていれば痰ができにくいようにします。

また風邪だけでなく「咳」を助長する条件には、肺や腎の臓の弱り(疲労、エネルギー不足、老化、病後)、肝の臓の弱り(緊張、ストレス、イライラ)、心の臓の弱り(心配、不安)などもあったりします。

東洋医学では咳嗽(がいそう)といいます。少しだけ専門的なことも書いておきます。

中医弁証

咳嗽(がいそう)

「咳」‥咳がでること(肺の気が逆上する音)

「嗽」‥痰がでること(肺・脾・腎の失調により水分代謝障害)→痰飲(痰‐粘る、飲‐水溶性)

外感性(冷えなど外的な影響による)

風寒タイプ(風寒の邪が肺を犯す)

風熱タイプ(風熱の邪が肺を犯す)

内傷性(日頃の生活や精神状態の影響による)

痰湿(水分代謝が悪い)

肝火犯肺(ストレス、イライラ)

肺腎陰虚(肺や腎の臓の弱り、疲労、寝不足、病後)

それらの原因に応じてツボを選んでいきます。

尺沢(しゃくたく)、雲門(うんもん)、天突(てんとつ)、孔最(こうさい)、魚際(ぎょさい)、孔最(こうさい)、肺兪(はいゆ)、膻中(だんちゅう)、太谿(たいけい)、太衝(たいしょう)、内関(ないかん)など

そして整体など手技療法の側面からは「咳」の症状がでているときには、胸郭といって肺をつつんでいる肋骨の動きが硬くなります。

その原因は、首の筋肉、肩甲骨のまわりの筋肉、鎖骨のまわりの筋肉が緊張して硬くなっていることです。

筋肉の緊張をゆるめて胸郭の動きをよくしてあげることで、呼吸がしやすくなり「咳」も落ち着くことが多いです。

幅広く勉強している鍼灸師の先生、また手技療法の先生は「咳」でもしっかりアプローチすることができます。

あまり「咳」の症状で初回の施術に来られる方はいませんが、慢性の「咳」や新型コロナウイルス後遺症の「咳」も施術していますのでご相談ください。

また子供の「咳」にも、小児はり(子ども用の刺さないハリ)、手技療法(手で触れるだけ)で対応することができます。

養生法

最後に養生法についても書いておきます。

基本的に疲労との関わりも大きいので早く寝ることが大事です。咳がひどく寝られない場合は医師に相談して薬をもらうのもひとつです。寝られない期間が続くと回復が余計に遅くなります。

痰が出ている、ノドの痛みがある、発熱があるなど炎症が強いときには、脂っこいものや甘い物、お酒などは控えた方がいいです。炎症を助長する場合があります。

また肺のトラブルは秋に多いとされており、旬の食材では梨をオススメしています。梨は肺を潤して咳やノドの痛みとった症状を緩和してくれます。

年中に手に入る食材では大根がオススメです。咳やノドの炎症には大根おろしなど生のままがよいです。

デザートでは杏仁(きょうにん)がきちんと入った杏仁豆腐も咳やノドに良いですが、杏仁の代替品で作られたものも多いです。

その他にはレンコン(すって生で飲むのがいいとか)、ゆり根もいいとされていますが、個人的にはあまり実感はできていません。

ツボ押しなどは自分でやるのが難しい場合も多いです。鍼灸師の先生などに相談してやるようにしてください。

今回は「咳」について解説しました。