ノドのつまり・違和感の鍼灸・整体|咽喉頭異常感症、ヒステリー球、逆流性食道炎– 蓬庵(よもぎあん)和歌山県橋本市高野口町の鍼灸院、整体院 –

和歌山県橋本市高野口町の鍼灸と整体、喉の詰まり、咽頭、のどのつまり、梅核気

蓬庵で鍼灸や整体で施術している症状について、私見を中心に書いていきます。

今回は「ノドのつまり・違和感」についてです。

長くなるので先に要点をまとめておきます。詳しく知りたい方は最後まで読んでみてください。

最後には養生法や良い食べ物についても書いています。

ノドのつまり・違和感にも鍼灸や整体の施術は有効なことが多いです。

症状が長く続いている場合は、病院で咽喉(のど)に器質的な問題が無いかを検査してもらってください。

東洋医学ではノドの異物感を梅干しの種で表現しており「梅核気(ばいかくき)」といいます。

その原因はストレスによる「気」の停滞で症状がでると考えます。

そのため西洋医学では原因が不明と言われても、「気」の流れをよくすることで解決できると考えます。

よくある質問をまとめました。

・ノドの症状なので首にハリを刺すのですか?

首よりも手足や背中のツボを使うことが多いです。首は優しく手で触れて施術します。

・何回ぐらいでよくなりますか?

個人差があるので答えるのが難しいですが、数回の施術で効果を実感される方が多いです。

ピタッと症状がでなくなる方もいれば、定期的な施術が必要な方もおられます。

ノドのつまりや違和感の他に、ノドの異物感や痛みとして言われる方もいます。

症状が強い方だとノドが締め付けられるような感じや痛み、痛みの場所が移動するという方もいます。

またその場所が移動したり、ノドから胸の範囲で感じることもあります。

・ノドに何かできている感じ

・ノドがつまっている感じ

・飲食時にひっかかる感じ

・しめつけられるような感じや痛み

病院では薬を持っているけれど症状が良くならない。漢方薬などを調べている中で鍼灸や整体も良いことを知り連絡をくださる方が多いです。

症状が落ち着いている状態を維持するには継続した施術が必要なケースもありますが、比較的に良くなる方が多い印象があります。

西洋医学

まず西洋医学的な側面から考えていきます。

慢性的に症状がある場合では、逆流性食道炎、咽喉頭逆流症、 咽喉頭異常感症、ヒステリー球が考えられますし、急性であれば風邪、喉頭炎、扁桃炎などを考えます。

病院に行ってから来られる方はカメラで検査をして異常がないことを確認されている事が多いのですが、まれにポリープや食道がんということもあります。

ノドにつまり感があっても飲食のときにスムーズに飲み込めるならいいのですが、ひっかかってスムーズに食べたものが通らない感じがあれば病院で検査をしてもらった方が良いと思います。

私が知っているケースで、鼻からの細い内視鏡ではノドで狭窄している部分を通過して異常がみつからず、再検査で口からやったときに内視鏡が通らないほどの状態になっていたという方がいます。その方の病気は食道がんでした。

これはごくまれなケースですが、注意をしておく必要があります。

施術の現場では、それよりも検査では異常がないのにずっと喉の調子が悪い(原因不明)ということに落ち込んでいる方が多いです。

原因がわからないというのはとても不安になりますが、まずガンの可能性を消去できますので逆に安心することだと思います。

東洋医学

東洋医学ではノドがつまるような症状のことを「梅核気(ばいかくき)」といいます。

梅の種がノドにあるような感じがすることを表現しています。

西洋医学ではヒステリー球と言われることがあり、精神的なストレスも関係していることが示唆されています。

東洋医学においても大きな原因のひとつとして、怒り、不安、心配、緊張といった精神的なストレスがあると考えます。

それとともに痰飲(たんいん)といって、生活習慣などによって水分代謝が悪くノドの浮腫や痰(タン)ができやすいような状態も症状を助長してるとも考えます。

東洋医学では「気」で体の状態を表現することが多いのですが、梅核気は体をたえまなく流れている「気」が精神的なストレスにより流れが悪くなり、停滞したりすることによりノドに症状がでる考えます。

体の中にはその人により「気」が停滞しやすい場所があります。同じようにストレスがかかっても人によりでる症状が違うのはそのためです。

この「気」が関わっている症状には特徴があります。

・精神的なストレスがかかると症状が強くなる

・リラックスや集中しているときには症状を忘れている

・入浴や体を動かしていると症状が軽くなる

・症状の場所が動くことがある

実態がないけど症状があるのが「気」が関わっている症状の特徴になります。

そのため西洋医学の検査では原因不明であっても、東洋医学の側面からみると原因がはっきりとしています。

この説明をすると納得してくださる方が多いです。

随伴して他の症状がでている場合もありますが、違う症状であっても原因が同じように「気」の停滞であることがあります。

」が停滞して悪さをしていることを「気滞(きたい)」といいます。

イライラ、緊張、不安などは、肝の臓が深く関わっており、肝気鬱滞(かんきうったい)、肝鬱気滞(かんうつきたい)と言われます。それに痰飲(たんいん)があわさることで症状がでてきます。

中医弁証

梅核気(ばいかくき)

肝気鬱滞、肝鬱気滞

精神的なストレスにより肝の臓が影響を受ける→体の気の流れが悪くなる

月経に関わるトラブル、イライラ、不安、脇や胸の痛み、不眠、ため息、胃腸のトラブルなど症状は多岐にわたり梅核気はそのひとつ

痰飲

肝の臓の不調、生活習慣の乱れ→水分代謝が悪くなる→浮腫や痰(タン)ができやすくなる→梅核気

「気」や「血」の不足

生活習慣の乱れや疲労、病後→「気」や「血」が不足して体を正常に維持できない

漢方薬

漢方薬では半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が処方されているのをよくみかけます。

半夏厚朴湯は「気」の流れをよくして、痰飲も解決してくれる漢方薬になっています。

医師の間では第一選択の漢方薬となっているようなのですが、必ずしも全員にあう処方ではありません。そのため経過をみながら複数の漢方薬を試すこともあると思います。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

出典:『金匱要略(きんきようりゃく)』

生薬:半夏(はんげ)・生姜(しょうきょう)・茯苓(ぶくりょう)・厚朴(こうぼく)・蘇葉(そよう)

効能:行気散結、降逆化痰

※ 停滞した「痰」と「気」を改善、上がった「気」を下に降ろすとともに「気」のめぐりをよくする

施術

「気」の流れが悪いことが大きな原因となるので、「気」の流れがよくなるように施術をしていきます。

ノド周囲の流通がよくなるように施術をしていきますし、ストレスの影響を受けている肝の臓が正常に働いてくれるようにするツボを選んでいきます。

主にストレス対策の施術となります。根本的な要因となっているストレスがはっきりしている場合は、取り除くことができることは減らしていきます。

体の状態に応じてツボを使い分けていきます。

内関(ないかん)、合谷(ごうこく)、太衝(たいしょう)、天突(てんとつ)、豊隆(ほうりゅう)、足三里(あしさんり)、膻中(だんちゅう)、百会(ひゃくえ)、神道(しんどう)、霊台(れいだい)、至陽(しよう)、肝兪(かんゆ)、脾兪(ひゆ)など

筋肉でみていくと首や肩の筋肉がかたいことが多く、胸郭(肋骨、胸骨、胸椎)の動きが悪いです。整体などの手技療法ではそれらを改善していきます。

また精神的なストレスでは頭部の緊張が強くなります。

頭に優しく触れるヒーリングの方法などをもちいて頭の緊張へアプローチします。それにより頭がスッキリして感情面も落ち着きやすくなります。

和歌山県橋本市高野口町の鍼灸と整体、喉の詰まり、咽頭、のどのつまり、梅核気

梅核気だけであれば経過が良好なことが多いです。

症状の期間が長い場合や他の症状もある場合は少し時間がかかることもあります。

まずはお気軽に相談してもらえたらと思います。

養生

「気」が原因の病気は適度に体を動かした方が良いことが多いです。

普段から運動をしていない方はお散歩やラジオ体操からはじめると良いと思います。

また積極的にリラックスしたり趣味を楽しむことも大事ですし、体力がある方は温泉やお風呂も「気」や「血」のめぐりがよくなるのでオススメです。

アロマなどの香りが好きな方であれば、柑橘系やミントなどの香りは「気」のめぐりをよくします。柑橘系やミントのものを食べるのもいいです。

梅核気は痰飲(水分代謝の悪さ)が症状を助長させますので、生活習慣で外食が多い、脂っこい物が好き、甘い物やお菓子が好き、お酒をよく飲む場合は、無理のない範囲で改善してもらいます。

食べることやお酒もストレスの発散になっていることがあるので、まずはできる範囲で提案をします。