蓬庵で鍼灸や整体で施術している症状について、私見を中心に書いていきます。
今回は症状とは少し離れますが「体の傾き、骨盤の歪み、猫背」についてです。
ときおり「体が傾いていませんか?」、「以前に骨盤がゆがんでいるといわれました。」、「骨盤矯正はしていますか?」ということを聞かれることがあります。
私も施術では体の状態を知るために、ひとつの指標として姿勢はみていきます。
どちらの肩が上がっている、肩が内側に入っている、体が左右どちらかに傾いている、猫背で前屈みになっている、などはみていきます。
しかし「骨盤矯正」や「猫背矯正」という形ではやっていません。
蓬庵は骨盤矯正や猫背矯正はしてない。
矯正を専門にしている先生は足の長さを確認したり、体を横や背中側から撮った写真に線を引いて傾きを確認すると思います。
それを写真で見て綺麗に左右に揃うようにしたいのであれば、矯正を専門にされている先生のところに行くのが良いと思います。
蓬庵では姿勢の傾きもひとつの指標にしますが、姿勢や骨盤の傾きだけが症状の原因のすべてだとは思っていません。
また長年にわたって生きていると体のクセもありますし、生まれ持っての左右や上下の先天的なクセもあったりします。
それが不調の原因であれば改善する必要があるのですが、そうでなければ必ずしも定規で線を引いたようなまっすぐな姿勢や左右均等に体を揃える必要はないと考えています。
教科書的な良いとされる状態よりも、その方のパフォーマンスがもっともよくなる方向性に近づけることを重視していきます。
体の傾きをつくる要因は普段の生活の仕方、仕事、スポーツなどにありますし、その期間が長くなると筋肉が硬くなりその姿勢が固定化されてきます。
だんだんと本来よいとされる姿勢よりも傾きがある体の使い方の方が楽に感じるようになってきます。
まずは硬くなっている筋肉を柔らかくして体の可動域を高めていきます。緊張の緩和と共に姿勢もよくなっていくことが多いです。
矯正で姿勢を整えても筋肉の硬さが残っているとすぐに戻ってしまします。そのため矯正を専門にしている施術所では決まった回数を受けることをすすめられて、繰り返し矯正をして長く良い状態が続くようにしていきます。
矯正のような即効性のある変化がすぐにでない場合もありますが、蓬庵では筋肉の方からアプローチして体の状態を整えていくという安全な方法をとっています。そのため高齢者や子供であっても施術をしていくことができます。
体のとらえ方や施術の仕方はたくさんあります。
どれが良いとか悪いということではなく、自分にあっている施術を選ぶことが大切だと思います。
猫背の方は肩甲骨、胸郭(肋骨、胸骨、背骨)の動きが悪い方が多く、鎖骨下部やみぞおちなどの硬さが強いです。
それらの緊張をとっていくことで立ちやすくなって背中がのびたと言われます。
産後は出産により骨盤がひらくなどと言われており、腰痛や体型の崩れなどが指摘されています。
西洋医学では産後は特別に何かをしなくても元の状態に戻っていくというのが定説となっています。そのため産後の骨盤矯正を否定している医師もいます。
産後の骨盤や体型の変化は個人差はあるものの体の変化として、少しはあるのではないかと個人的には思います。
その状態が良いのか悪いのかは判断が難しいのです。
人類は長く子供の出産を経験してきたと思うのですが、産後の骨盤矯正が出産後のスタンダードのように宣伝されるようになったのはまだ新しいはなしです。
長い期間でみたときに産後の骨盤矯正がどれだけ有効なのか少し疑問がありますが、私の専門分野ではありませんので明言はさけたいと思います。
興味がある方は産後の骨盤矯正を専門にしている先生に相談をしてください。
私は骨盤からどうにかするというよりも、出産により消耗した「カラダ(気や血)」を補うことを重視します。
妊娠ではとても大きなカラダのエネルギーを使い、出産ではさらに大きな消耗をします。
妊娠や出産に関わる臓腑にはいくつかありますが、その代表格にある腎の臓は「骨」・「生殖器」・「疲労」などとの関係が深く、肝の臓は「血」・「気」・「筋」などとの関係が深いです。
本来は自然と戻るものが戻らないとしたら、それはカラダの不調によるものと考えます。
蓬庵では東洋医学的な側面から「はり」と「おきゅう」を使ってカラダを良い状態に整えていきます。
妊娠中や産後のカラダケアもお気軽にご相談ください。