和田先生の日々雑感(105)「ローラー針における現状と危惧」

和歌山県橋本市の東洋医学に強い鍼灸院です。

和田先生の日々雑感(105)「ローラー針における現状と危惧」

2018年6月7日(木)

こんにちは、東洋医学ライフを提案する橋本市の隠れ家鍼灸院こと蓬庵の和田です。今日は小児はりに使われるローラー針(小児針)について危惧したことがあったので書いてみます。

ローラー針とは?

まず、ローラー針とは主に小児に使う針器具で以下の画像のような形が特徴です。持ち手があり、トゲトゲの突起がついたローラーがついています。皮膚の上を優しくコロコロと転がすようにして使用します。小児はりは、小児の健やかな成長を促し、夜泣きや癇癪(かんしゃく)などに効果を発揮します。

※小児はりの詳細についてはコチラ(クリック)

複数のメーカーから販売されており刺激の強さも様々で、心地の良い刺激が特徴です。

ローラー鍼

ローラー鍼 蓬庵所有

ローラー針にける状況と問題

以前にも個人的なSNSで問題提起したことがあるのですが、このローラー針がセルフケアや美容を目的として一般の方が使用しているということが報告されています。治療院の中には自宅でも簡単にできると患者様に販売をしているケースもあったりします。

近年は美容効果が高いとして雑誌やテレビでとりあげられることもあり、ひそかな人気アイテムとなっています。基本的には医療器具ですので一般のお店などでは販売はされていませんが、今はインターネットで誰でも気軽に買えるような状態にあります。

それ以前にもアトピーのセルフケアとして話題になったこともあります。ほどよい刺激で手でかくように傷になりにくいとインターネットの掲示板などでよく紹介されていました。

しかし、ローラー針が「鍼」だとしたら、それは「医師」か「はり師」の資格をもったものしか使用をできないことになります。これをおかすと法律の違反となり罰せられます。

あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法

第一条 医師以外の者で、あん摩(マッサージを含む。以下同じ。)、はり、きゆう又は柔道整復を業としようとする者は、夫々あん摩師免許、はり師免許、きゆう師免許又は柔道整復師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

第十二条 何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。

法律第二百十七号(昭二二・一二・二〇)

「鍼」は刺すものだけではない?

はり師が施術に使う鍼は、実は体に刺すものだけではありません。歴史的な側面から鍼の種類をみてくと、九種類があったとされ九鍼といわれます。それらを特徴により分類していくと、「刺すハリ」「皮膚を破るハリ」「刺さないハリ」と分類されます。

「破るハリ」については現在では手術器具に類似することから使用されない形状のものもありますが、刺さない種類のハリは現在でもよく使われています。ローラー針もそのひとつです。

他にも刺さないハリ、小児針はたくさんあります。以下は蓬庵が所有している小児針の一部です。

様々な形の小児針、てい鍼、大師流小児はり、調気鍼

色々な形の刺さない針、小児針

ローラー針は「鍼」なのか?

ここで問題になるのがローラー針や刺さないハリは「鍼」なのかということ、実際のところ鍼器具のひとつとされていますが法規の中では厳密な定義はされておらず保健所の見解も様々なようです。知り合いの先生から聞いたある保健所の見解では刺すハリのみを、はり師が施術につかう「鍼」として認識しているということでした。

なので誰が使っても、はり治療であると宣言しなければ問題のない可能性が高いと思われます。

類似のものといえば、ローラー針と美容ローラー、てい鍼(上記写真の一番右)とツボ押し棒、これらも専門家向けに販売されているかどうかだけで、とても形が似ているものでその定義はあいまいです。

ローラー針はもっと普及すべき?

以上の観点からみていくと、刺すハリが怖いといういう方にはとっつきやすいローラー針は大きな危険性をともなう器具ではないことから、一般の方に興味を持ってもらうためには良いきっかけになるともいえるかもしれません。

あくまで個人の使用の範囲については自己責任です。数十年前の小児はりが盛んに行われていたときにも露天などで類似の小児針が一般用に販売されていたという話も聞いたことがありますし、刺さないハリの問題は今にはじまったことではないようです。

それでも、類似の小児針を買って自宅で夜泣きや癇癪(かんしゃく)に試したが「効果がなかった。」「余計にひどくなった。」という意見も多くあったようです。

個人的に危惧するローラー針の現状

個人的にはローラー針はセルフケアの範疇において使用されることについては、「刺さないハリやローラー針も、はり師の業だ!」としてやいやい言うだけでなく、手軽にできるハリとして一般の方に受け入れられて親しまれていることを認めないといけないと感じています。

しかし、近年では無資格のセラピストが施術にローラー針を使用する。同業の先生が一般の方に使い方を教えて独自のセラピーとして認定証を発行する。セラピストとして無資格で施術することを推奨するという段階になってきています。

これを良いこととするのか、問題とするのか難しいところです。

刺さないハリを使っても独自のセラピーとして行う場合については、保健所の見解をきかなければ断言はできませんがグレーゾーンといったところではないかと思います。

かりに、無資格でローラー針を使い「小児はり」としてサロンで行うと違反になる可能性があるかと思いますし、資格をもっているものとしてはそうであるべきだと考えます。

小児はりは簡単!?

小児はりはローラー針をコロコロするだけで簡単と思われている同業の先生もいていると思いますが、そうおもっているとしたら勉強不足だと思います。

小児の施術というのは大人よりも難しいと大先輩の先生方から言われてきましたし、実際に私もそう感じています。適当に皮膚をコロコロしているだけでよい施術ではありません。もちろん刺激料を間違えれば悪化することもあります。それは大人でも同じ事です。

なので、ローラー針だからといって安易に一般の方に使って欲しくないというのが私の本音です。

鍼メーカーの見解

実際にローラー針を作っている老舗メーカー様に見解を聞いてみました。できれば複数社から回答を頂けばよいのですが、今回はもっとも老舗と思われるメーカー様に聞いてみました。

お問い合わせありがとうございます。

弊社のローラー鍼は医療機関向け(有資格者向け)医療機器として届出している商品です。従って、鍼治療を目的とする「はり師」の先生向けのとして販売しているため、「鍼治療に使用すること」となっていています。医療機器販売業者様にもその旨をお伝えしております。

弊社はインタネットで一般の方には販売しておりませんので、どこの業者がインタネットで販売しているかは把握できません。また、ローラー鍼は一般用もあるようなので、どの商品が「医療機関向け」なのか「一般の方向け」なのかは販売業者様の責任において販売されています。

また、ローラー鍼は「医薬品医療機器等法」においては個別には定義されていません。弊社のローラー鍼は「医薬品医療機器等法」の「非能動型接触鍼」の分類にて届出しております。他社のローラー鍼について弊社ではわかりかねますので各々の会社様にお問い合わせください。

以上宜しくお願いします。

このように一般用として類似のものが販売されているケースもあります。ではこのメーカーのものは資格がないとかえないのかというと、インターネットで一般の方も購入できるようなショップもあるのが事実です。

ですから、一般の方で購入される場合は一般用で医療器具ではないことを確認して購入してもらえたらと思います。ローラー針が一般の方も使うことにセルフケアとしてメリットもありますし、セラピーとして使われている現状に問題点もあるかと思います。

今回はローラー針について危惧していること提起して、ひとまずこの問題は終わりにしたいと思います。他の同業者の先生にも興味をもってもらえたら幸いです。

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